W2ソリューションには、様々なECサービスがありますが、その特徴は、クラウドで結構カスタマイズができるサービスという印象があります。
過去5年でずいぶんと事業が拡大してきた印象で、先ほど公式サイトを見ると導入社数が800社となっており、びっくりしました。
本日は、これからW2のプラットフォームでECサイトを検討したり、W2株式会社に入社を考えている方向けに、筆者の昔のパッケージECの営業経験を思い出しながら解説しますが、趣味のブログなので、間違っていたらごめんなさい!
カンタンな話、エビスマートと同じで、クラウドでありながらカスタマイズできるECパッケージです。
ひと昔前は、クラウドのECシステムで、フルカスタマイズできるパッケージ会社は、エビスマートしかなかったのですが、今やいろんな会社から、クラウドECと称してサービスが展開されております。
W2もリピート購入向けのASPを出していますが、主力は中・大規模向けのECサービスです。公式サイトを見たら、商品名的には、「W2 Unified Commerce」(以後W2ユニファイドコマースで)というらしいです。
まー名前なんてあってないようなもので、他の某大手パッケージ会社も
・BtoB向け
・アパレル向け
・D2C向け
とホームページでそれ専用のパッケージを謡ってましたが、中身は全く同じサービスだということは業界ではよくあります。(それはみんなやってますからね!)
このサービスの最大の特徴は、ASPのようにシステムが常に最新でありながら、大規模事業者が行う、システム連携やカスタマイズが実施できることです。
そのため、W2さんがいう、「ユニファイドコマース」という、店舗とECをシームレスに連携するシステムを作ることができるのです。ユニファイドコマースとかオムニチャネルというのはトレンドキーワード的に思うかもしれませんが、それを実現するシステム連携はかなり大変です。今の時代小売大手はオムニチャネルを実装しないととてもじゃないと生き残れません。
なぜなら、時代は商品中心のマーケティングから、顧客中心のマーケティングに変わっており、それを実現する基盤がオムニチャネルなのです。
私も昔、自社のパッケージECを販売してましたが、パッケージの最大の弱点として、ECサイト構築中にもシステムが陳腐化してしまうことがよくありました。
なぜなら、ユニファイドコマースやオムニチャネルが導入する場合は、開発期間は2年かかることもざらにあるからです。2年もかかるとパッケージのソフトウェアのバージョンが古くなってしまうのです。かといって開発に取り掛かっているので、新しいバージョンは入れられません。
しかし、クラウドのシステムであれば、その問題がありません。ASPと同じでシステムが自動で更新されるからです。W2さんのホームページを見ると「セキュリティーナンバー1」というスタンプが貼ってましたが、システムのセキュリティも絶えずバージョンアップされている背景があることが読み取れますね。
そして、このクラウドでありながらカスタマイズを実現するのは、開発体制に恐ろしく負荷がかかります。このため、このクラウドで中大規模向けのシステムというのは、なかなか多くの企業が参入しづらい面があるのです。
W2のECを中・大規模向けの企業に導入するなら金額感の基本は数千万円からです。
パッケージECの営業をしていた経験からですが、「W2 Unified Commerce」を導入すると費用感は以下のとおりではないでしょうか?
・開発費用の目安
1,000万円~数億円
おそらく1,000万円以下となると、カスタマイズせずにそのまま導入するケースになり、W2(W2のASPサービスは除外します)を選択肢にいれるということは、カスタマイズやシステム連携が前提であり、4,000~5,000万円は当たり前で、数億円というレベルになることもあるでしょう。
これは、W2が高いわけではありません、ライバルのエビスマートも、ビーング(ecbeing)さんもそれくらいの開発費はかかります。
毎月20~30の標準機能を増やしいる
さすがはクラウドのシステムであり、YouTubeでみたW2の社員のコメントによると、毎月20~30の標準機能を増やしております。これはすごいことです。普通、毎月こんなに多く機能を増やすと、既存システムに影響がでそうなものですが、おそらくマイクロサービスのように、システムを小さい単位で開発しいるため、他への影響がでないようなシステムアーキテクチャを採用しているのではないでしょうか?
W2の社内の雰囲気は?
実は、筆者が現役時代は、たいていのパッケージやASPの営業と会ってきたのですが、W2の人とは会ったことがありませんが、SaaSの会社っぽく、オフィスカジュアルの20代~30代の人が多いと思います。ただ、ECの営業というのはどこの会社もスーツでかっちりという企業が多いので、W2も営業は同じかもしれませんね。
W2(中・大規模向けのEC)のライバル会社は、エビスマートとメルカート
W2はリピストというD2C向けASPも出していますが、中・大規模向けのECでは、ライバル企業は以下の2つだと思います。
特にエビスマートは、クラウドというシステムの強みや顧客のターゲット層がW2とがっつり被っているので、この2社はコンペでも結構、争っていると思います。エビスマートと言えば、ライバルはビーングさん(ecbeing)であることは業界では周知のとおりですが、昨今はW2とも業界内でしのぎを削っていると予想されます。
じゃーエビスマートとW2のどちらが良いのか?と言うと、断言できませんが、ポイントがあるとしたら、これから構築する自社のECの要件定義の箇所がどれだけ「標準化」されているか?という点です。
エビスマートを選んでもW2を選んでも、結局両方ともやりたいことは実現できるでしょう。しかし、標準化機能が多い方が新たに開発する部分が減るので工数が減り、かつシステムがそれだけ安定(バグが少ない可能性)します。
ですから、システム検討時に、自社の要件定義をある程度できていることが費用対効果の高いシステム選びに結び付きます。(まー理想論であり、たいていは業者が決まってから要件定義に入るものです)
あとは、担当営業の好みの問題かもしれませんね。
メルカートは、ビーングさんが提供しているW2と同じくクラウドでカスタマイズが可能なECシステムです。エビスマートやW2と異なる点は、費用が数百万円台と安い分、カスタマイズの幅が限定的なことです。
カスタマイズやシステム連携がない場合は、メルカートにも話を聞いておきましょう。
W2が向いている方とは?フルスクラッチで苦しんでいる会社
W2さんのホームページの事例にもありますが、W2が向いている企業は、売上が1億円~数十億円規模であり、現在フルスクラッチのECで運用が困っている会社さんです。
W2にするだけで、機能更新やセキュリティのアップデートが楽になりますし、マーケティング機能も独自フルスクラッチよりも多くのことができます。
このような会社には、W2やエビスマートなどのクラウドのパッケージが非常におすすめです。
W2に向いていない会社とは?予算が少ない会社
予算が少ない会社は向いていません。(W2に限らず、エビスマートやビーングもですね。)
例えば、ECプラットフォームの開発費用に「100万円を用意している」という会社さんは、W2ユニファイドコマースは、費用が足りません。では、費用が足りない会社は、Shopifyで、自分のスキルで出来る限りのオムニチャネルを実装する方が現実的です。
Shopifyでも有料プラグインを使えば、ある程度のオムニチャネルの実装は可能ですし、Shopifyの情報は山のようにあります。
ただ、Shopifyなどをカスタマイズするには、担当者のITリテラシーが必要なので、自社でなんとかできない場合は、W2のような会社に費用を払ってお願いすべきです。
まとめ
ひと昔前は、クラウドでカスタマイズできるECシステムは、エビスマートしかなかったのですが、時代が進みいろいろな会社からカスタマイズできるクラウドECが出てきましたね。
メイクショップもカスタマイズできるASPをリリースして、ビーングさんもメルカートをリリースしたことからも、パッケージは時代遅れ感があります。
W2にしろエビスマートにしろ、一度導入するとシステムのリプレースが必要なくなるのは最大のメリットです。システム投資が少なくなる分、事業の拡大をしやすくなるからです。
中大規模向けのシステムなら、エビスマートと比べてみてはいかがでしょうか?あまり大きくない開発なら、ビーングさんのメルカートも話を聞いてみましょう。
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