楽天ショッピングモールに出店している店舗さんは、数多くの楽天のコンサルティングと称す、楽天の広告勧誘の電話やあらゆるオプションの高額費用に辟易しているのではないでしょうか?
結局、ユーザーから見るとショッピングモールの各店舗に”店舗”という認識はなく、”楽天”で物を買う認識ですから、その店舗へのロイヤリティーは高くなりません。ましてバナー広告など楽天内でがんばったところで、自社ブランディングは難しく、結局は楽天内の価格勝負にならざるを得ません。
そこで検討するのが、自社ECサイトですが、BASE(ベイス)などは無料で(条件つきですが)ECサイトをはじめる事も可能な時代で、自社ECサイト構築自体は難しいことではありません。
しかし、自社ECサイトの構築は簡単でも、自社ECのプロモーションは大変なのです。
本日はショッピングモールから自社サイト構築にはどのような方法があり、そして自社ECのプロモーション方法の困難さを!EC業界に10年いた筆者が解説いたしますが、趣味でやっているブログなので間違っていたら、ごめんなさい!
ショッピングモールから自社ECを構築を考えている人は、どういう方式で構築すればいいのでしょうか?それは以前も紹介した、ECのサイト年商別に考えるとよいでしょう。
年商1億円未満の企業さんのEC構築方法はASPがおすすめ!
年商が1億円未満の方は、ASPサービスで自社ECを構築するといいでしょう。なぜならASPサービスは無料で使えるものから、月額数千円~数万円ものまで様々です。
ASPは安くて、手軽にECサイトの構築ができる反面、カスタマイズができないという、デメリットが存在しますが、「そんなものはASPにあわせればいいのです!」
そもそも楽天やAmazonなどへの出店は縛りだらけですから、それに比べれば、ある程度のECサイトのデザインや、管理画面が使いにくくてもOKとすべきです。これはECに限った話では、ないのですが、ASPサービス利用のコツは自社のワークフローを合わせる事がコツなのです。
また現在のASPには、ECのフロント機能としては十分な機能を備えたものまでありますので、自社のワークフローをASPに合わせる事ができれば、効率的なECサイト運営が可能です。
ec-cubeは技術力があればおすすめ!
ec-cubeは技術力に自信がある会社には、カスタマイズして自社に完全にあったサイトをつくれるので、ライセンス費用がかからず比較的安く自社ECサイトをはじめる事が可能です。
逆に技術力がないのなら、ec-cubeは辞めておいたほうが無難です。ec-cubeがフリーだからといつて、全てが無料というわけではありません。サーバーなどはレンタルサーバーなど自分で申し込まないといけませんし、ASPではないので、自分でセキュリティーパッチをいれたりしなくてはいけません。
自社で全てやりたいという会社にはec-cubeはうってつけですが、それ以外の技術力がない会社さんには敷居は高いでしょう。
年商1億円以上はパッケージを検討しよう!
年商1億円以上あるなら、売上の向上だけではなく、自社ECとしてのワークフローの効率化も考えるべきでしょう。そういった意味でも、カスタマイズでき、しかもシステム連携可能なパッケージはいい選択肢です。
ただASPでも間に合う場合がありますので、ASPとパッケージの両方を検討してみてください。先ほどもいいましたが、自社のワークフローをASPに合わせることができたら、非常に効率的だからです。
パッケージを入れるとなると、カスタマイズやシステム連携を行いますが、必ずその時だけ必要な要件定義はしなようにしてください。パッケージは高額なECシステムですから、2年後、3年後のECサイトの成長や事業計画を見据えて要件定義をしましょう。
具体的には、
「2年後には基幹システムとの連携を検討する」
「事業計画では2年後は会員が〇〇万人になっている。」
など、将来の事も見据えて要件定義を行わないと大変な事になります。せっかく導入したシステムが、基幹システムとの連携が不可能だったり、サーバーの増強がしんどかったりすると、もう一度自社ECの構築を行うハメになるからです。
またサーバー移行も大変です。「え、そんなの新しい環境にファイル移行すればいいだけでしょう?」と思う方は、サーバー移行の経験がない方です。新しいサーバーの検証作業や、移行の際の差分、調査などは莫大な時間がかかりますし、システムベンダーに依頼しても簡単に「見積りは300万円です」という返事が返ってきます。
そうならないためにも、最初から数年後の会員数やアクセス数の事業計画をたてて、それに見合ったサーバーを用意しておけばよいでしょう。
自社ECの集客はカンタンではない!
ショッピングモールから自社ECへ移行した際、自由に集客を行う事ができるが、簡単ではありません。各施策ごとに説明してまいります。
リスティング広告(SEM)
2016年2月にGoogleから大きな発表がありました。PCのリスティング広告枠から右側がなくなったのです。つまりスマートフォンであっても、PCであっても同じようにリスティング広告がでてくるようになりました。
この発表は、EC事業者に何をもたらすか?CPC(クリック単価)の高騰です。今までは右枠を含めてMAXで10枠程度の広告枠があったのですから、それが4枠程度にやったので、CPCの高騰は避けられません。つまり資金的に余裕がある会社が優位にたつのです。
またこの影響により、検索結果のファーストビューが全てリスティング広告が表示され、SEO1位のコンテンツでも今までより下の方に紹介されるようになるようです。
つまり自社サイトでの、SEMは今後コストが、今まで以上にかかるようになってきますので、広告文やキャンペーンの運用をいままで以上細かく管理し、スコアをあげて、上位表示をめざせるようにする必要があります。
SEO
2011年のGoogleのパンダアップデートやペンギンアップデート以来、自社サイトにバックリンクを貼って、特定のキーワードで1位にするのは不可能です。どこかの芸能人がGoogleを使わない理由として「SEO対策しているから!」などかっこつけて言ってましたが、SEO対策は現在不可能です。
今は完全にコンテンツマーケティングの時代に移行しました。企業はブログメディアを立ち上げ、特定のキーワードに向けたユーザー目線の記事を徹底的に書かないと、SEOの上位に表示されない時代になりました。
SEO業者はほとんど廃業に追われているか、ビジネスモデルをチェンジさせています。
つまり、SEO対策(バックリンクによる)不可能な時代であり、コンテンツマーケティングをやるには大変な労力が必要です。
アフィリエイト広告
自社ECサイト広告で比較的敷居が低い集客はアフィリエイト広告です。CPA(一件あたりの広告費)はリスティング広告よりはるかに押さえる事ができますし、うまくやれば自社のかわりにアフィリエイターがサイトを作って、自社ECを宣伝してくれます。
ただし、筆者はアフィリエイトの広告主とアフィリエイター両方の立場になった事が、アフィリエイト広告で気をつけなくてはいけない事はよくわかります。
自社ECサイトの広告がうまく行くかどうかのポイントは、アフィリエイターとどれだけコミュニケーションを多くとれるかです。アフィリエイターが自社サイトで広告してくれる条件は下記の2つです。
アフィリエイターが積極的に自社ECサイトを広告してくれる条件とは?
①単価を高く設定する事
競合他社よりは、もちろんまったく競合ではない他社製品よりも単価を高く設定することです。もちろん限界があるのは知っていますが、アフィリエイターは、あなたの製品だけでなく、ASP(A8やバリューコマースなどのASP)と通じて、単価が高い製品に食いつきます。ですから原価をわらない範囲内で最大限単価を高く設定します。
もちろん単価を高く設定すると、利益が薄くなりますので、期間限定で最初だけでも赤字覚悟で行います。当然キャンペーンが終われば、アフィリエイターの注目は下がりますが、アフィリエイターが作ったサイトは、結構そのままほっとかれる事がほとんどですので、検索結果に自社製品をばらまく事ができます。
②承認を早くする。
通常広告主は、アフィリエイトの承認作業は月に一度だが、これをたとえば毎日行う事で、アフィリエイターのやる気は格段に変わってきます。デメリットは毎日大変ということですが、ほとんどの広告主は月一度という事を考えると、アフィリエイターから極めて目立ちます。
ただしアフィリエイターの中には残念ながら悪質なアフィリエイターがかなり多いというデメリットも忘れてはなりません。そういったアフィリエイターは、承認作業で早めに感知して、ASP(A8やバリューコマース)に通報しましょう。
メールマガジン
会員情報をとって、メールマガジンを送るのは手間がかかりますが、伝統的なWEB集客の方法ですが、年々メールマガジンの効果は薄れています。その理由が人々がスマートフォンでメールより、LINEなどを連絡手段として使うようになった事。また個人情報の登録を楽天やAmazonには登録しますが、小さなECサイトは信用がないため、登録してくれない傾向が高まってます。
またメールマガジンは、単に商品のプロモーションだけしても、読んでくれず、労力がかかるわりには、今では効果的な施策ではありません。
またメールアドレスなど個人情報の扱いはデリケートです。
ここまで、自社ECサイトをもったWEB集客の一般的手法を紹介してきました。どの手法も簡単ではありません。また腕のいい代理店や、腕の担当者は大手担当となるので、あまり規模の大きくない、自社ECには新人がアサインされる事がほとんどです。
やはりWEBマーケティングも人任せにせず、講演を聞きにいったり情報交換をして、自分で失敗したりして、PDCAを回していかないと、なかなか成功しません。
そう考えると、楽天などのショッピングモールは実は、自社のかわりに大変な集客をしてくれているのです。それにしても、いろいろお金とられて大変ですけどね。
自社ECサイトとショッピングモールを並行して出店する方法
規模が大きいECサイトさんは、自社ECサイトと楽天などのショッピングモールを並行して出店する事が多いです。チャネルが多ければ、それだけ売上も上がりますから当然です。
ただし、コストがかかる以外に悩ましい問題が自社ECサイトとショッピングモールも並行出店にはあります。それは在庫管理です。ましてそこに実店舗がある場合は、もっと在庫管理が大変になります。
ですから、複数ECサイトや、ショッピングモールと並行して在庫システムを連動した方がよいでしょう。
またショッピングモールとの連携はそれ意外にもメリットがあります。最近ですと去年ニトリのECサイトがリニューアルが失敗し、(くわしくはこの記事を)サイトが長い間ストップしました。
しかしニトリはその間、楽天に出店していたので、被害を最小限に抑えることができたのです。(まーネットでは、ニトリがシステム会社を安く買いたたいたためと騒がれているためですが。真相はわかりません)
最後に
いかがでしたか?本日はショッピングモールから自社ECサイトに移行に関して、あらゆる角度から紹介しました。
自社ECサイトにすれば、好きなようにブランディングや広告が打てますが、その反面、WEBマーケティングはプロでないと成功を収めるのは難しいですよ!
だからこそ、人任せにせずあなた自身が失敗を重ねて、自社ECをプロモーションしていくのが一番ですよ!
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