本日はECパッケージ最大手のワークスアプリケーションズをご紹介いたします。
ワークスアプリケーションズとはERP市場でシェアナンバー1の会社であり、そのERPのパッケージの製品名は「COMPANY」というソフト名です。※今はHUEという名前です。
ECのパッケージ名は「COMPANY」にeコマースの機能を追加した製品です。「COMPANY EC Series」という製品名が本日紹介するワークスアプリケーションズのECパッケージになります。
かつて3000人以上の従業員数が888名(2023年6月時点)とずいぶん減った時期がありましたが、それはワークスアプリケーションズのHR事業を売却したことによるものだと思います。今は、従業員が増えてきましたね。
ワークスアプリケーションズは一時は「やばい」という噂が、業界やネットでささやかれましたが、今はHR事業の売却で得た多額の資金により復活した模様です。また2023年度6月期の決算では、分社後はじめて黒字になるなど復活してきた印象があります。
また、名物社長の牧野氏も退任をして、今は完全に新しい体制で舵を切り始めました。以下の記事によると、多くの訴訟を抱えていたのですが、全ての裁判が終了し、ERP事業が黒字化しているようで、やはり自力のある企業と言えますね。
人事管理ソフトを切り離したワークスアプリケーションズが黒字化、生成AIで攻勢へ
本日はEC業界に10年いた筆者が、かつてのECパッケージの最大手のワークスアプリケーションズについて詳しく解説いたしますが、趣味で書いているブログなので、間違っていたらごめんなさい!
ワークスアプリケーションズはどんな会社?
大手企業向けのERPを作っている会社なので、お客様は「資生堂などの」超大手企業に絞られます。ERPとはカンタンに言えば、基幹システムを統合したシステムであり、業務効率化したり。経営に必要な情報をすぐに経営者に必要なデータが集まるため経営判断が速くなります。
つまりERPは企業の業務で欠かせないシステムを統合したシステムであり、ECよりも規模が巨大な開発となります。ERPの導入は、大企業であれば「億」の単位の開発なのです。
ただし、ワークスアプリケーションズは、この導入費用で儲けているというのではなく、導入先の保守費用が美味しいのです。なぜなら、ERPが一度導入されてしまえば、なかなかほかのERPに乗り換えは大変です。つまり解約されずらいのです。そこで保守費用を稼ぐことができるので、ワークスアプリケーションズのERP事業はストックビジネスともいえるのです。
ワークスアプリケーションズのEC事業に関してですが、ERPがすでに導入済みの会社にクロスセルでECを販売するのがメインの販売手法でした。ERPを導入した会社から考えても、基幹(ERP)と相性の良いECを入れるのは理にかなってます。しかも、ERPの導入企業は名だたる大企業ばかりですから、ECの開発も規模感が大きくなります。
同じくパッケージ大手のコマース21が最大のライバルになりますが、最近だと、ecbeingさんや、エビスマートがこの市場に徐々に来ている印象ですね。
2010年前後にECプラットフォームビジネスをスタートしました。評判は広まり、2013年あたりは案件を受注しすぎて開発が間に合わなくなり、案件のリリーススケジュールが押していた時期がありました。
しかし、今はそういった時期も乗り越えて開発体制も安定しているようです。元々しっかりした技術力はありますが、2010年前後はECの経験がなかった事もありトラブルが発生したようです。
しかし、かつてはECパッケージもワークスアプリケーションズのサービスでしたが、ホームページを見る限り、ECのEの字も出てきません。その後、EC事業は保守のみとなったのかもしれません。
ワークスアプリケーションズのECパッケージはどう?
「COMPANY EC Series」はカスタマイズができるパッケージです。そして非常に高額です。業界のパッケージでは一番高いレイヤーに属するのがワークスアプリケーションズです。
しかし、2024年2月現在ですがワークスアプリケーションズのホームページには、どこにも「COMPANY EC Series」という訴求はありません。詳細はわかりませんが、新規向けにはECを販売をしていないのではないでしょうか?少なくとも会社として積極的に販売している製品ではなさそうです。
ひっとしたら、人事管理ソフト部門の売却の際に、COMPANYに付随するCOMPANY EC Seriesも売却してしまったのでしょうか?詳細は筆者にはわかりません。
メイン事業はERPの導入ですから、今はERP分野に集中して、ECの導入は、ERPの導入先が希望した場合のみの開発になっているかもしれませんね。本当のことはわかりません。
会社の雰囲気は?
背広をきっちり着ている人が多い雰囲気です。(真面目な印象です。)そして学生のインターンに非常に人気の会社なので、元気のいい若者が多い感じがします。あまりに学生が集まるので、当時のメディアにも取り上げられておりました。六本木一丁目の泉ガーデンの近くに本社があります。
給与面などの待遇は、大手なので悪くないはずです。また実力主義かつ、フレックスタイムを採用しており、業務時間は長いものの、休みにくい雰囲気でもないようなので、自分に自信がある方なら、とことんキャリアを磨けるのではないかと思います。
20代の管理職もいるようなので、実力主義の会社なので、やる気のある若者にはおすすめですね。
ワークスアプリケーションズのECパッケージが向いている会社は?
一番の強みは業務システム「COMPANY」がERP市場においてシェアNo’1という事です。
すでに「COMPANY」を導入しているのであれば連携はスムーズなので、COMPANYをすでに導入している会社であれば、「COMPANY EC Series」が第一候補となるでしょう。
また、コールセンターとの連携などを考えると、コールセンター向けの業務システムを持っているCOMPANYは連携がスムーズだと思います。
ECだけでなく、総合的にシステムをどっかんと乗り換える時は必ず声をかけたい会社ですね。繰り返しますが、ワークスアプリケーションズは、大企業にターゲットを絞っているので、それなりに規模の大きい会社でなければ、案件化しないのでお忘れなく。
ワークスアプリケーションズが向いていない会社は?
予算をEC事業に捻出できない企業や、予算が少ない中小企業には向いていません。またパッケージですのでシステムが古くなってしまうのでASPやクラウドECのように自動でシステムが新しくはなりませんので、ASPに慣れてしまっている方は5年後にはリプレイスが必要になるので要注意です。
また予算があっても、EC単独での開発を考えている場合は、正直あまりメリットがありません。ERPソフトの「COMPANY」との連携が前提でないとメリットはないと思います。
生成AIにも力を入れている
下記の記事の無料部分だけを読みましたが、マイクロソフトの生成AIを利用しており、会計担当者が業務で困った際に、AIに会計ソフトやマニュアルを読み込ませ、チャットで会計担当者と会話チャットができるなどのサービスを展開しておるようです。
これからのIT事業は、どんな分野でもITの利用が前提になってきますし、会計ソフトのマニュアルを探すのは会計担当者にはシンドイことなので、良い利用方法だと思います。
最後に
ECのパッケージに関してですが機能のキャッチアップは早い印象がありました。ただし実際の契約したお客様の印象によると追加開発が度々発生しているようです。案件はなんとかトラブルなしでリリースするのですが、スケジュールが遅れてしまう事がかつてはありましたが、それは8年以上前の私の体験談であり、今はガラッと体制も扱う商品も変わってしまった感じです。
最新の動向などはワークスアプリケーションズさんのホームページでご確認くださいませ。
ただ、筆者が見た限り、ワークスアプリケーションズのホームページに「EC」の文字がどこにも見あたりませんでした。。COMPANY EC Seriesは、新規向けに販売しているでしょうか?詳細はわかりません。
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