クラウドECのebisumart(えびすマート)の評判と考察

ebisumart(えびすマート)は、ここ5年くらいに急激に成長したSaaSのECシステムの会社です。クラウドなのにカスタマイズできる点が特徴であり、ebisumartの運営会社インターファクトリーは勢いにのって上場を果たしました。

大手企業がECのリプレイスを検討するとき、コンペではパッケージで有名な会社ばかりが集まるのですが、その中でパッケージではなくクラウドというのは、お客さんから見ても比較しやすいんでよくECシステムのコンペに呼ばれていましたね。

なぜなら、ebisumartの強みはフルカスタマイズができてシステムが古くならないクラウドというのが、他の会社さんにはない特徴だからです。最近では大手事業者でのコンペにもよく呼ばれるようになっており、業界内の認知度も急激に高まりました。

コンペではだいたいパッケージ会社ばかりになりますから、その中ではebisumartは面白いシステムです。

本日はEC業界で10年の経験のある筆者が「ebisumart」を解説しますが、趣味でやっているブログなので、間違っていたらごめんなさい!

ebisumartはどんなシステム?

クラウドシステムなのにカスタマイズができるというのはあまりないシステムで、印象としてはカスタマイズができるASPという印象という感じです。ASPはカスタマイズができませんからね。

「ASPじゃ物足りないけど、パッケージを導入するには重すぎる」くらいのレイヤーのEC事業者にはぴったりのシステムでしたね。

そのポジションのECシステムは10年前は皆無であり、当時はec-cubeを検討するしかなかった感じです。

クラウドでカスタマイズがどこまでできるか当時結構、疑問をもっていましたが、実際私が仕事で携わった感じだと一般的なパッケージと同じようにカスタマイズができる印象でした。

この記事を書くにあたって久しぶりにebisumartのサイトをみたらだいぶサイトの印象がかわっていましたね。

今では、中・大規模向けのクライアントが多くなっており、導入実績も「象印」「ヤマハ」「カシオ」など聞いたことがある大手企業が多くかなり経営が順調に推移しているようですね。

ebisumartの戦略は?

昔は、どちらかというと中小のお客さん相手に商売していたようですが、ホームページをみると大手の企業にターゲットを代えてきているようです。社員数も150人くらいに増えていますので、開発体制も相当ととのっている印象です。オフィスも大阪や福岡などの支店もあるようですしね。全国展開してますね。

また昔はSaaSのプラットフォームといっていたのに、最近では「クラウドコマースプラットフォーム」と言っていることからも日本でのクラウドECプラットフォームとしてのポジションを確立するのでは?と思います。

取締役の人がここ数年、全国をかけめぐってセミナーを開いているので認知度も大きく広まっており、すでに「ECサイト構築」と検索すると、昔はecbeingさんや、ecOrangeさんがでてきましたが、今やebisumartさんも上位に出てくるようになりました。

それだけ認知度が高まって、全国で検索する人が増えてきたのだと思います。

最近は、コンサルやカスタマーサクセスに力を入れているようですね。ホームページのみると、福岡のモールコンサルに強い、マクロジさんと業務提携をしておりましたね。

エビスマートのライバルのビーングさんも社内にコンサル部隊を組織して、ECサイト構築だけでなく、構築後の運営もゴリゴリにやっていますので、エビスマートさんもそのようなことを目指しているのではないでしょうか?

エビスマート側にも、セミナー講師として元ECコンサルの方々がいるので、エンジニアだけでなく、ECの運営ノウハウがある方の採用にも力をいれているのでしょうね。

それと、サイト分析の新しいサービスとして「ビジュアルデータ分析オプション」がリリース。もともとのサイト分析機能をアップデートして、より直感的で迅速な分析ができるようになるようです。

ebisumartが「ビジュアルデータ分析オプション」をリリース

このように、どんどん機能の追加やアップデートを重ねている印象なので、今後ももっと色々な事業者から引き合いが来るんじゃないかと思います。

ebisumartはどんな会社に向いているか?

ECをパッケージを使っていてリプレイスを検討している場合やASPからのシステムの発展を検討している場合は向いていると思います。

ECの年商で言うと1億円~50億円、そんで100億円くらいのレンジの企業さんの事例も増えているみたいですね。

クラウドのサービスなのでパッケージと違って、定期的にバージョンアップする必要がなく自動的に最新のバージョンに更新されていくのが強みです。その上で各社毎にカスタマイズができるので、幅広いニーズに応えてくれると思います。

また、フルスクラッチで作ったシステムに増改築に増改築を重ねて、システムが大変な事(エンジニアの退職なども重なり)になっている会社は、システムが自動で更新されるのは、涙がでるほどうれしいと思うので、フルスクラッチシステムの大変さを知っている企業さんは、話を聞いてみるといいと思います。

つまり、ASPのECシステムから卒業する事業者の方々から、大手事業者が導入する規模が大きめのシステムまでがあっているのではないでしょうか?

大規模向けECシステムの「ebisu commerce」がラインナップに!

ebisumartよりも、より大規模向けのECプラットフォームがラインナップに追加になりました。それが「ebisu commerce(エビスコマース)」です。ebisumartとは別の公式ホームページがあります。

ebisu commerceのホームページ

ebisumartと分けたことで、より最新のアーキテクチャを使っていると思います。最近は、APIファーストや、マイクロシステムの採用などがトレンドであり、大規模向けのプラットフォームなので、おそらくは家電業界であったり、ゲーム会社のECサイトであったり、1日当たりのトラフィックが多い企業や、より複雑な連携に向いているラインナップではないでしょうか?

機能をどんどん追加したい会社にも向いている?なぜなら、パートナーが多いから

それと、マーケティング機能をドンドン実施して、売上をあげたいという会社にも向いていると思います。エビスマートも会社が大きくなって、パートナーアライアンスの部署ができて、ECで有名なツールはだいたい使用できる状況になっています。

フルスクラッチの方が自由度高そうなイメージがありますが、よほどマーケティングに理解がある会社でないと、非常に使い勝手の悪いシステムになりやすいです。また、エンジニアの方はセキュリティーやバックエンド業務の改修に手がかかっていると、そもそもフロントエンドの改修はなかなか手がつけられないですからね。

そうなると、パートナー会社が多いエビスマートで、使いたい機能をドンドンつける方がいいと思います。まーこの点は、ビーングさんも変わりないですけどね!

ebisumartはどんな会社に向いていないか?

そもそもクラウドサービスなので、クラウドシステム自体を受け入られない企業には、導入できません。企業の中にはクラウドサービスのようなブラックボックスのシステムを嫌がる会社もありますからね。それにくらべるとシステムインテグレーターさんのSI WEB Shoppingは、プログラムコード全公開だからこの辺は、スタンスの違いですね。

また、安くはないので、ASP感覚で月々数万円の予算でECサイトの構築を考えている事業者には予算が合わないでしょう。安いシステムではなくなってしまったので、事前に予算感はホームページで確認しておきましょう。

ebisumartはどんな雰囲気の会社ですか?

ebisumartの事業会社はインターファクトリーという会社です。何度か仕事でやりとりをした事があります。

非常にアットホームな会社です。例えば訪問すると受付の紙に自分の会社の名前が書いてあったり、打ち合わせに関係ない人すれ違った若い兄ちゃんも大きな声で挨拶してくれたのが、印象として残っています。

ただ大手と比べると技術者のノリは軽い印象でした。大手の会社と比べると身軽で動いてもらえるがその分、テストの工数とかちゃんととってるの?という疑問がありましたね。しかし、昨今は会社の規模が大きくになるにつれて、ソースコードの管理をしっかりしているのか、大きなバグを起こしたという話は聞いた事はありません。

ホームページが昔はだいぶダサかったのですが、だいぶお金をかけてリニューアルを実施したのか、大企業でも安心して申し込めるようなデザインに変わりましたね。

https://www.ebisumart.com/

オフィスも、昔の場所と違い、大きな飯田橋の新しいビルに入っているようで、会社の規模感も本当に大きくなってきたようですね。ただ、コロナ禍を経て、エンジニアの多くはリモートで仕事をしているのでしょうから、こんな豪華なオフィスは必要なのか?とか思っちゃいますね。

昔はホームページに忍者がいたりしていたり、急にシックにしたりてマーケティングが迷走してるんじゃないか?と感じた時期もありましたが、会社が成長し、そういった話も昔話になったようです。

ebisumart(インターファクトリー社)に就職を考えているエンジニアに

インターファクトリー社は、上場したこともあり、会社が成長するにつれて案件も増えている印象です。

ebisumartはJavaで開発されております(たしか。。)。クラウドで、かつカスタマイズ可能なECシステムというのは、高い技術力とノウハウがないと難しいことなので、開発者として働くとそのへんのことは勉強になると思います。

また、ECシステムの開発者は要件を満たすだけでなく「トラフィックをコントロール」することが求められますので、例えば、人気の商品がECで販売されて、アクセスが集中しても、サイトを落とさないようにする技術のことですね。その辺も他の開発にはないECサイトの面白さだと思います。

他にも、パートナー先のツールや決済会社の組み込みを行うことが多いので、API連携が多いのですが、そういった開発経験は、SaaSの会社であれば、ECに関わらず重宝されるでしょう。

そして、知り合いの話だと最近のインターファクトリー(ebisumart)はビックリするくらいのホワイト企業にらしく、ほとんど出社していないみたいです。さらに有給もめちゃくちゃあるので、もはや働いているのかいないのか。。というぐらいのホワイト企業らしいです。社員には嬉しいですよね。

会社の規模が大きくなるにつれて新卒の質が高まり、そのまま社員の質が向上していく良いスパイラルに突入しているのではないでしょうか?

ライバルが増えてきている印象!クラウドEC業界とは?

なんか、エビスマートの宣伝ばかり書いたような記事になってしまいましたがwエビスマートも浮かれてはいられません。というのも、過去5年間で、カスタマイズできるクラウドECはいろんな会社から発売されるようになった印象です。

例えば、ビーングさんは「メルカート」という中規模企業向けにカスタマイズできるECプラットフォームを販売してますし、W2ソリューションさんや、コマース21さんもカスタマイズできるクラウドECをリリースしておりますので、このあたりがライバルかと思ったのですが、メルカートさんで大きなカスタマイズをしたい場合は、メルカートではなくecbeingを進めているみたいで、エビスマートのライバルになるとおもったのですが、そのよな動きはなさそうですね。

それよりも、MakeshopやShopifyなどのASPのECプラットフォームも、従来はカスタマイズができませんでしたが、昨今はAPI連携を行って、ある程度のカスタマイズができるようになってきましたので、このあたりもライバルになっている印象があります。

エビスマートさんもライバルが増えたため、業界唯一のカスタマイズできるクラウドECというポジションではなくなりつつあるのです。

今後、カスタマイズできるクラウドECの領域は、システム側において差別化が難しくなってくるので、付加価値(コンサルやカスタマーサクセス)をつけていったり、あるいは新商品(ツールやアプリ)などで、顧客の売上アップの紐づくことをやっていかないといけなくなるでしょう。大変な時代ですね。

最後に

業界では珍しいフルカスタマイズができるクラウドECのサービスなので、既存のECシステムの在り方に疑問をもっている会社は、一度話しを聞いてみてもいいのではないかと思います。

またコンペも、どこを呼んでも特色が薄いのでebisumartをコンペに呼べば、各社の特徴がわかりやすいと思いますよ。

クラウドECに興味があれば、ebisumartさんのホームページで確認してみてくださいね。

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