ASPサービスのECシステムを7つのポイントで紹介

ECシステムの導入の際、ASPサービスの導入を検討しているのではないのでしようか?ASPのECカートには、下記の長所があります。

①すぐに導入できる
②コストが安い
③ECとしてのフロント機能は十分
④サーバーメンテナンスが不要
⑤システムが古くならない

ASPはカスタマイズが出来ないという点が弱点ですが、それでも年商3000万円を越さない限り、手作業でやりくりが可能でしょう。しかし、ASPのECカートは数十社から販売・提供されており、どれを選べば良いのでしょうか?

ECカートのASP各社には、差別化するための特長があります。ECカートのASPサービスは、本日紹介する7つのポイントから選べば必ず、貴社に相応しいASPサービスを見つけることができますよ。

本日はEC業界に10年いた筆者がECカートのASPサービスについて解説いたしますが、趣味でやっているブログなので、間違っていたらごめんなさい!

ポイント①集客サービスが豊富なASPを利用したい場合
ポイント②SEOに強い、ASPサービスを使いたい場合
ポイント③サポート体制が整っているASPサービスを選びたい場合
ポイント④とにかく月額費用を安くしたい場合
ポイント⑤ファンクラブのECや健康食品などの定期販売をECサイトで行いたい場合
ポイント⑥将来のECシステムを変えることなく、カスタマイズしたい場合
ポイント⑦オムニチャネルをASPサービスで行いたい場合

ポイント①集客サービスが豊富なASPを利用したい!

自社ECサイトの弱点は集客です。楽天やAmazonなどのショッピングモールであれば、強力な集客力があります。しかし、自社ECサイトは自分で広告を打たねばなりません。

全く集客の経験がない企業におススメなのが”効果は限定的”ではありますが、集客の仕組みが最初からあるECカートを使うのも選択肢になります。高価格帯のASPのMakeShopと、無料ASPのSTORES.jpの2社を紹介します。

(1)MakeShop

Yahooショッピングや価格コムなど、有名ショッピングモールと連携しているのアイテムポストというツールを使って、自動でショッピングモールにも商品が掲載されます。手数料は1%~なっており、商品や掲載モールによって異なります。

詳しくはMakeShopの公式サイトをご覧ください。

(2)STORES.jp

先に紹介した、アイテムポストや、「モバオク」などのショッピングモールとSTORES.jpは提携しており、「プロモーション機能」をONにすることで、自動で提携先のショッピングモールにも商品が掲載されます。商品価格の10%も取られてしまうので、注意が必要です。

詳しくはSTORES.jpの公式サイトをご覧ください。

ポイント②SEOに強い、ASPサービスを使いたい!

実はSEOに強いECシステムというのは存在しません。どのシステムを使っても同じです。現在のSEOのトレンドは「ブログ型のプラットフォームのWordPress」を使うことです。SEO(現在ではコンテンツマーケティングと呼んでいます)が成功している企業は例外なく、WordPressを使っています。ですから、

「ECサイトと同じドメインでWordPressが使えること」

が、SEOに強いECサイトの条件です。ドメインが異なれば、WordPressのブログで強化したドメインのパワーが、ECサイト側で使えないためです。

では、ECサイトと同じドメインでWordPressが使うことができるECカートはどれでしょうか?

(1)MakeShop

オプション料金が公表されていませんが、MakeShopでWordPressとの連携が可能です。

しかも、企業が独自にWordPress用のレンタルサーバーを用意し、ブログを用意した後に、設定を行います。これはリバースプロキシという技術を使って、実際はMakeShopとWordPressは別サーバーですが、WordPressにアクセスしたユーザーを用意したMakeShopのアドレスにしてしまう技術です。

この方法でも、Googleは同じURLと判断するため、全く問題はありません。

この方法については、MakeShopの公式サイトをご覧ください。

(2)FutureShop2

ASP側のサーバーに、WordPressをインストールします。月額は1000円と5000円のコースがあり、ドメイン直下か特定ディレクトリーかで異なります。SEOのお作法としてドメイン直下が良いとされていますが、昨今はあまり関係なくなってきてます。(それよりもコンテンツの質が重要です)

WordPressのインストールはクライアントが行う必要があり、ITリテラシーがない企業には難易度が高いでしょう。

詳しくはFutureShop2の公式サイトをご覧ください。

ポイント③サポート体制が整っているASPサービスを選びたい

自社にIT部門やWEBデザイナーがいない場合、ECサイトの制作代行をお願いしたり、サポートが手厚い会社にお願いしたいところ。

(1)ショップサーブ

別途費用がかかりますが、ECのデザインの作り込みを依頼することができます。また、ショップサーブは、構築の際、ほとんどのASPサービスが電話とメールが中心なものに対して、打ち合わせサービスが用意されているからです(初期費用が90万円するそうで、ASPの規模感よりパッケージの規模感です)

詳しくはショップサーブの公式サイトをご覧ください。

(2)MakeShop

やはりGMOグループで、導入数も圧倒的に多い大手のASPは、サポートも充実しています。専用のコールセンターも用意されており、また対応ノウハウも溜まっているはずですから、大手の安心感があります。

詳しくはMakeShopの公式サイトをご覧ください。

ポイント④とにかく月額費用を安くしたい場合

ECサイトでのテストマーケティングを行う場合や、あまり形にこだわらない企業は、

「とりあえずECサイトを試してみたい!」

という場合は、無料のASPも選択肢になります。無料であるがために、多少の不都合はありますが、小規模ECサイトは立派に作れますし、一般の人からみても「無料のシステムを使っている!」という事はバレないレベルでしょう。

また、月額1000円程度のコースを使えば、独自ドメインも取れます。独自ドメインではない場合も、https://×××.theshop.jpとなり、xxxの部分は独自ですので、違和感はあまりありません。

(1)BASE(ベイス)

無料でECサイトを作る場合、BASEが一番です。その理由は商品公開数です。ライバルのSTORES.jpは、無料では5点までですが、BASEには限りがありません。またGoogleアナリティクスの設置も無料でできます。

BASEについてはこちらをご覧ください。

(2)STORES.jp(ストアーズ)

無料2大ASPのもう一つが、STORES.jpです。STORES.jpがBASEに勝っている点は、決済手数料です。2857円まではクレジットカード手数料は、BASEよりも安くなるからです。ただし、高価な商品の場合は、BASEの方が手数料は安くなります。

STORES.jpについてはこちらをご覧ください。

ポイント⑤ファンクラブのECや健康食品などの定期販売をECサイトで行いたい場合

月額で定期的にユーザーからお金を徴収するビジネスがあります。例えば、毎月届く健康食品や、ファンクラブのようなビジネスです。そういったビジネスをECで考えている場合は、定期販売や頒布会に特化したASPや、必要な機能があるASPが良いでしょう。

例えば、お届けサイクルを商品毎に変更できるASPです。例えば「○○日毎、〇週毎、隔週、一カ月、月2回」などです。あるいは定期販売の分析ができたり、コールセンターが使える管理画面が用意されていたりと、定期販売には定期販売のノウハウがあり、それに特化したASPがおススメです。

(1)たまごリピート

月額はASPにしては高額の約5万円のコースと約8万円のコース(占有サーバープラン)があります。定期販売に特化したECカートであるため、定期販売では最も評判が良いASPサービスです。

占有サーバーのコースはありますが、カスタマイズできないのがデメリットです。ライバルの侍カートは、規模の大きい企業むけにカスタマイズを用意しているからです。

たまごリピートの公式サイトはこちらです。

(2)侍カート

たまごリピートと、ASP-ECの定期販売の業界を二分するのが「侍カート」です。ASPとしての機能は、たまごリピートと大差ありません。しかし、侍カートは「フルカスタマイズ」プランを用意しており、完全にカスタマイズできる点が異なります。

ただしカスタマイズした場合は、ECパッケージと同等の初期費用や月額費用(数十万円以上)が発生します。そしてASPをサーバーを分けて、フルカスタマイズした場合は、すでにASPではなく、ECパッケージになっており、ASPのメリットの「システムが古くならない」というメリットが失われます。

侍カートについてはこちらの公式ページをご覧ください。

ポイント⑥将来のECシステムを変えることなく、カスタマイズしたい場合

 

マーケティング活動の成功により、急激に注文が増える場合は、手作業で問題なかった工程も、注文数が増えると誤発注などのトラブルが発生し、

「発送先を間違えた」
「注文から10日過ぎても、発送できていない」
「違う商品を発送してしまった」

そしてトラブル対応をしていると、注文がどんどん溜まっていき、次のトラブルを誘発します。フローの徹底や、人数増員でカバーできる面もありますが、このようなトラブルを防ぐためにも、バックエンド作業の自動化を検討する必要があります。

ASPの弱点はカスタマイズができないことですが、限定的ですが中にはカスタマイズが可能なASPがいくつかあります。

(1)MakeShop for クラウド

MakeShop for クラウドは、ECシステム(MakeShop)を乗り換えずにASPのままで、個別のカスタマイズが可能です。その仕組みは、本体プログラムには手を入れずに、MakeShopで用意されたAPIを利用して、MakeShopと企業各社のシステム連携を行う方法をとっています。

カスタマイズはグループ会社の開発会社が担当します。ただし、カスタマイズを行うと、月額料金が数万円だったのが10万円から30万円程度に増えます。

また、本体プログラムに手をいれるような改修は、困難なため、このECパッケージやクラウドECに比べると限定的なカスタマイズになります。

クラウドECについては、MakeShop社を含めてとりあげたので下記の過去記事をご覧ください。

クラウドECとは?システムの評判と考察

ポイント⑦オムニチャネルをASPサービスで行いたい

ASPサービスでオムニチャネルを行うとなると、それに特化したASPサービスを使うことになります(こういった内容はECパッケージやクラウドECの領域がおススメですが)。オムニチャネルを実現するには、システム連携が不可欠です。

それが可能なオムニチャネルに特化しているASPを紹介します。

(1)MakeShop for オムニチャネル

兄弟分にMakeShop for クラウド がありますが、理屈は同じで、APIを利用して、オムニチャネルに特化した機能をMakeShopに実装しており、自社のシステムとの連携を行います。専用サーバーコースがあり、すでにECパッケージの領域に入っています。ですから10万円以上いたします。

詳しくはMakeShopの公式ページをご覧ください。

(2)フィーチャーショップ2X(ツークロス)

フィーチャーショップの最上位コースが2Xです。CROSS POINTというASPシステムを使って、在庫やポイント、POS情報を連携することができます。こちらも月額15万円と高額です。

フィーチャーショップ2Xについてはこちらをご覧ください。

 

最後に

普段はECパッケージやクラウドECなどの解説をしているブログですが、ASPも初めて取り上げてみました。

ASPも今は機能がどんどん拡張されてきており、パッケージに迫るものや、一部カスタマイズが可能なものも販売されております。

自社のフローを、ASPに合わすことができれば、ASPが最も費用対効果のよいECシステムだと思います。

 

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